NVMe™ がデータ・センターの未来にとって重要な理由

最適に稼動しているデータ・センターには、必ずストレージ・プロトコル(ストレージ・ソフトウェア、機能などの基準)と、メディア・デバイスのために開発・調整されたハードウェア・インターフェイスがあります。ハードディスク・ドライブやテープ・ドライブなどのコンピュータ・ストレージ・デバイスとデータをやり取りする主要なポイントツーポイントのシリアル・プロトコルであるSASとSATAの2つも、これに該当します。

SASとSATAは、データ・センターで長年使用されてきた標準規格です。そのため、初期仕様でSASとSATAプロトコルに対応するエンタープライズSSDは、そのパフォーマンスと価値により、エンタープライズ・データ・センターで広く採用され、利用され続けています。

しかし、これらのソリューションでは、SSDを使用するアプリケーションのパフォーマンス・ニーズに対応していく中で、SASとSATAのコマンド変換層と帯域幅のオーバーヘッドの問題が発生します。エンタープライズ環境でのSSD技術の採用が広がるにつれて、新たなプロトコル標準とインターフェイスの組み合わせが求められるようになりました。

NVMe

NANDベースのエンタープライズSSDにとって、理想的なプロトコルとインターフェイスの組み合わせは、10年前には存在しませんでした。不揮発性メモリ・エクスプレス(NVMe™)技術標準と周辺コンポーネント相互接続エクスプレス (PCle) インターフェイスの組み合わせが最初に登場したのはその頃です。例えば「NVMe SSD」や「PCIe SSD」の用語は、両方とも広く使用されています。これは、SSDの能力を完全に引き出すためにはこの2つの力が必要だからです。

成長を続ける新しいSSD市場を、この2つの技術がどのようにリードしているかを見ていきましょう。

NVMeスタンダードのメリットとは?

NVMeスタンダードは、根本的にまったく異なるアプローチに基づいています。これが次世代の製品を実現させる原動力になります。この標準の開発は、単にハードウェアとソフトウェアの視点からインターフェイスを定義しただけではありません。

NVMeはSSDの可能性を最大限に引き出す初のインターフェイス仕様です。さらにNVMeは、システムからメモリを借りる、新しいセマンティクスの作成、ネットワークとの統合などの新しい使用モードとデータ・タイプを定義します。

NVMeは使いやすい標準ドライバに登載され、SSDに高帯域幅と低遅延のフレームワークを提供します。NVMeが成功した大きな理由は、通常はSATAまたはSSDコントローラで行われるコマンド変換を廃止したことです。

簡単に言えば、仕様が進化したNVMeでは、これらのコントローラの遅延とソフトウェアの遅延を解消したわけです。NVMeは処理にかかる時間と、SATAまたはSASパイプラインを阻害する要素をなくすことで、2倍、場合によっては3倍の連続スループット速度を実現します。

Seagate Nytro 5000

NVMeスタンダードが登場してから10年が経とうとしていますが、広く採用されるようになったのは、データ・センター・ハードウェアがNVMeに対応する仕様と幅広い対応フォーム・ファクタの開発を開始するようになった2012年以降です。このような対応フォーム・ファクタには、2.5インチ・フォーム・ファクタとも呼ばれるU.2、および「板ガム」フォーム・ファクタと呼ばれることが多いM.2が含まれます。Nytro® 5000 NVMe SSDsで両方のフォーム・ファクタを提供しています。さらに、M.2はSeagate Nytro 5910 NVMe SSDのように、アドイン・カード (AIC) に取り付けることで、既存のハードウェアPCIeスロットに対応することもできます。

現在、NVMeはサーバ、エンタープライズ・ストレージ・デバイス、携帯電話などのさまざまな機器に対応しています。

NVMe仕様のその他のパフォーマンスやスケール機能には、深いキューとキューあたりのコマンド数が多い場合にも対応できるマルチテナントと複数キューが挙げられます。これらの機能は、ハイパースケール環境を立ち上げる際のNVMeの導入を拡大する原動力となりました。こうした新しいスケールアウト・アーキテクチャは、NVMeが拡張性の高い展開において明らかに優位性を発揮することを意味しています。中間層の変換におけるSCSIのボトルネックは、IOと複数のホストへの同時対応が問題になるため、SASでは効率的な拡張が難しくなっています。一方、これらのマルチテナントと複数のキュー機能を備えたNVMeは、ボトルネックを解消し、これらの環境にシームレスに対応します。

PCIeとNVMeの関係は?

PCIeはNVMeとの相性が極めて良い高帯域幅バス技術です。PCIeとNVMeの連携が登場する前にSSDが頼っていたのは、SASとSATAプロトコルでしたが、それではパフォーマンスを最大限に引き出すことができませんでした。PCIeインターフェイスは、SASやSATAにつきもののSCSIコマンドのスタックやダイレクト・アタッチド・ストレージ (DAS) のボトルネックを解消し、NVMeのパフォーマンスを向上します。この非常に拡張性の高いインターフェイスは、有効な各PCIeレーンに沿って並列的にフローを処理します。例えば、1レーンあたりの帯域幅が8Gb/秒の4レーンPCIe 3.0接続では、実際の帯域幅が4GB/秒近くになります。

Appleのキャッチコピー「It just works(ちゃんと動く)」というフレーズは、NVMe-PCIe技術にも当てはまります。NVMeとPCIeは、力を合わせて今日の多くの高機能環境・ハイパースケール環境をリードしているのです。

NVM Express標準ワークグループにおける技術リーダーの協力

SeagateはNVMe標準化団体、NVM Express, Inc.Nのさまざまな組織に参加し、NVMeのデザイン、ロードマップ、開発、採用に関わっています。この団体は、標準を市場に導入するための活動を進めています。Seagateはその先頭に立って最高品質のソリューションを実現し、データ・センターに革命的な変化をもたらしています。

NVMeのような技術標準化でSeagateが目指すべき重要な目標のひとつはデバイスの相互運用性です。そのため、NVM Expressで当社が関わる教育活動やプラグフェストは非常に重要です。

「仕様準拠と相互運用性の早期実現を図り、当社のNVMeソリューションの堅牢性を確保することは、Seagateにとってもお客様にとっても最優先すべき事項です」と話すのは、SeagateのSSD製品担当シニア・ディレクターのJB Bakerです。「第二に、この試験は開発された標準の有効性を何度も検証し、エンドユーザにシームレスなソリューションを提供します」

ハイパースケール・アーキテクチャでSSDのパフォーマンスを完全に引き出す

NVMeがあれば、SSDの可能性を最大限に引き出して、パフォーマンスを最大に発揮しながら遅延を低く抑えることができます。さらに、ハイパースケールやファイル・ストレージ・ソリューションの新規展開を成功させ、モノのインターネット、データ・マッピング、クラウドといった規模の大きさとパフォーマンスを必要とする新たな産業を前進させる原動力になります。

データ技術産業におけるNVMeの採用は大幅に加速しており、オープンで協調的な標準の整備が重要な課題となっています。NVMeはハイエンド・エンタープライズ・ストレージで活躍するだけでなく、クライアントやモバイル・ソリューションにも使われており、業界の成功のためのカギとなる技術として実績を重ねています。他の標準にも独自のすばらしい価値がありますが、NVMeはSeagateがこれまでになかった新しい機能やソリューションを生み出す助けとなります。これは最も優秀なイノベーションと言えるでしょう。当社はお客様に優れたソリューションをお届けすることを主な目的として今後もこの標準に貢献し、この標準の進化に期待しています。

2018-08-20T00:51:55+00:00

About the Author:

David Allen is an NVMe board member and the senior director of Marketing for NVMe products at Seagate.

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