■第7回■ 写真とムービーの両方で活躍するプロカメラマンの大崎聡さん
プロカメラマンとして多方面で活躍している、大崎聡さん。ここ数年、静止画写真だけでなくムービー撮影の機会も増えてきて、扱うデータが飛躍的に増えていることに悩んでいたそうです。そんな大崎さんが、容量の確保と仕事の効率を高めるために、Seagateの「IronWolf Pro 4TB」2台と、Synology製NAS「DS218J」を利用したNAS環境を構築したようで、どのように活用しているのかお話しをお聞きしました。
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大崎聡(おおさきさとし)プロフィール
都内スタジオ入社、カメラマンアシスタントにつき広告写真の現場を学ぶ。その後、ファッションフォトグラファーに師事。2000年独立。2008年、ヘッドオフィスとして「Shin Irai Inc.」設立。主な著書に「いきなり思い通りに撮れる!デジタル一眼レフカメラと写真の基本BOOK」(永岡書店)など。
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■ 大崎さんは、普段どのようなお仕事をされていますか。
大崎:通常はスチール(静止画)写真の撮影を専業としているカメラマンです。ただここ2~3年はムービー(動画)を撮影する仕事も多くなっていまして、動画を扱う頻度がかなり増えました。そのぶん、扱うデータ量も飛躍的に増えています。
■ これまで、撮影した写真や動画などのデータはどのように保存していましたか。
大崎:フィルムを使っていた頃の写真は、倉庫で保管しています。そして、デジタルに移行した当初は、外付けHDDに転送して保存するようにしていました。当時は、容量500GBぐらいの外付けHDDを4台ぐらい使っていましたが、台数が増えるに従って「このまま増えていくとまずいぞ」と思うようになりました。そこで、HDDを8台ぐらい取り付けられてRAIDも組める大型のHDDボックスをパソコンに接続して、そこにHDDを装着して使うようになりました。当時はまだIDE仕様のHDDが主流の頃で、HDDへのケーブル装着が面倒だったことを覚えています。
■それらデータのバックアップはどのように取られていますか。
大崎:わたしの仕事の性質上、多くの写真はよほどのことがない限り、古いものを再利用することはほとんどありません。ですので、再利用の可能性のある写真以外のものは、HDDにコピーして、そのHDDがいっぱいになると外して保管する、といった使い方をしています。
また、進行中の仕事の写真は、パソコン内に取り付けた複数のHDDで2重、3重に保存しています。メインのHDDに加えて、バックアップ用のHDDに同じデータを保存します。また特に重要なデータは、さらに別のHDDにも保存します。ただ、これらは手動でやっていますので、かなり手間はかかっています。
■今回、Seagateの「IronWolf Pro 4TB」2台と、Synology製NAS「DS218J」を利用してNAS環境を構築されたそうですが、使ってみての印象はいかがですか。
大崎:以前の環境よりも、簡単に保存先にアクセスできますし、アクセス速度も速くて非常に快適になったという印象です。Mac、Windows PCを問わず、簡単にアクセスできるのもいいですね。
また、DS281Jには、スマートフォンやタブレットと連携するアプリが用意されていて、撮影した写真を自動的にDS281Jに転送できる点も、かなり便利に感じています。例えば、デジタルカメラとタブレットを接続して、撮影した写真が自動的にタブレットに転送されるようになっていれば、そこから自動的にDS281Jにも転送されます。手動でNASに写真を転送する手間が省けますので、労力的にも精神的にも楽になりました。
■NASにHDDを装着する作業は難しかったですか。
大崎:以前からHDDを触っていたこともありますが、とても簡単でした。HDDを触ること自体も不安は全くありませんでした。
■もともと、Seagateというメーカーはご存じでしたか。
大崎:実は、ここ数年はSeagateのHDDを選んで使っています。以前は、あまりメーカーを意識せずに使っていたのですが、ある時、Seagate製ではなかったのですがHDDがクラッシュしまして、その時の衝撃は今も強く残っています。それ以降は、クチコミなども参照しながら評価の高いSeagate製HDDを選ぶようになりました。あと、個人的な印象ですが、お店で見ていると、安定的に供給されている(在庫切れがない)HDDがSeagate製品だったというのも理由のひとつです。
■Seagateはエンタープライズ向けHDDでトップシェアを獲得していますが、ご存じでしたか。
大崎:そのことはつい最近知りました。また、今回利用したIronWolf Pro 4TBは、NAS向けとして24時間連続駆動を基本とした設計となっているだけではなくて、「AgileArray」*1「RVセンサー」*2といった機能が搭載されていることも最近知りました。エンタープライズ向けのHDDと同等の独自技術が搭載されているとのことで、自分の選択は間違っていなかったんだな、と認識を新たにしました。
*1ファイルの安全性を保ちつつ書き込み性能を高める技術 *2隣接HDDからの振動などを検出してヘッド位置を補正し安定した読み書きを実現するセンサー
■今回、NASとの組み合わせでIronWolf Pro 4TBを使ってみて、SeagateのHDDについての印象は変わりましたか。
大崎:HDDは裏方のものですし、基本的にはあまり意識せずに使うものだと思います。だからこそ、トラブルなく利用できる信頼性の高さが重要だと思いますし、IronWolf Proにはそれが備わっていますので、これまで以上に信頼できると感じています。
私はプロカメラマンとして活動する傍ら、カメラ教室もやっています。そこでも写真のバックアップの重要性は常に伝えているんですが、時どきSDカードから全くバックアップしていない生徒さんもいらっしゃって、SDカードが壊れて写真が消えた、という声も聞きます。カメラ教室を通じて、HDDやNASでバックアップすることの重要性が伝わればいいな、と思います。
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IronWolfについて
耐久性や複数台のHDDを組み合わせて利用する「RAID構築」のサポートなど付加価値を持つ内蔵型HDD。PCやNASなどの利用に適した「IronWolf」と、回転数を高速にしたハイエンド向けの「IronWolf Pro」の2ラインを展開する。書き込み処理を速くするファームウェア「AgileArray」、ヘッドの位置を補正する「RVセンサー」、高機能なHDD診断機能「IHM(IronWolf Health Management)」といった機能が組み込まれているのも特長。最大容量は14TB。詳細はこちら
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―――連載 – クリエイター仕事場探訪――――――――――――――――――――――――――――――――
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