タイの歴史的寺院ワット・プラ・シーサンペットを保存する3Dデータ

Seagateと国際NGO団体CyArkは、タイの古都アユタヤにある古代寺院ワット・プラ・シーサンペットを保存するための活動を行っています。

両組織が長期にわたり携わってきた歴史保護プロジェクトの最新の活動として実施されるこの企画は、このUNESCO世界遺産をデジタル・スキャンして保存し、アーカイブするものです。ドローンやカメラ、レーザー・スキャン機器から取り込んだデータや画像は3Dモデルへと変換され、ウェブやバーチャルリアリティ (VR) で体験できるよう一般に公開される予定です。

Seagate消費者向けソリューション担当上級副社長Tim Bucherは次のように述べました。「私たちは今、極めて重要な岐路に立っています。データ・キャプチャ、ストレージおよび処理技術は、世界各地の最も特徴的かつ歴史的に重要な場所をデジタル情報として保存できるレベルまでに発達しました。今回、CyArkにとっては初めてのタイでのプロジェクトで、共に文化財保護の活動に参加できることをとても嬉しく思っています」

2015年より、SeagateはCyArkのパートナーおよびスポンサーとして協賛しています。カリフォルニア州オークランドに本社を置くこの企業は、2003年より40ヶ国の文化遺産200件をデジタル保存しています。同社の使命は、文化遺産が自然災害、略奪、戦争や老朽化によって失われる前に保存することです。

14世紀にタイ族王朝の都であったアユタヤは、そのほとんどが1767年に破壊されました

バンコクから北へ約85kmの場所に位置するアユタヤは、タイ族王朝の二番目の都として、14~18世紀に繁栄を極めました。当時この場所は、世界の外交および商業の中心でした。この都は1767年に破壊され、遺跡のみが残されました。現在アユタヤはタイの法律で保護された広大な歴史公園となり、人気の観光スポットかつタイ文化遺産の中心地になっています。

今年の夏、CyArkチームのメンバー3人が7日間のデジタル保存プロジェクトのためアユタヤを訪れました。このプロジェクトにはSeagateのTim Bucherと、タイ・コラートにあるSeagate工場のオペレーション担当副社長Piangruetai Sivaratanaも参加しました。この期間にCyArkチームは遺跡のスキャン170件と90,000枚の写真を撮り、合計データは2.7TBに達しました。

CyArkの撮影およびプロダクション担当副社長Anthony Fasseroは、「航空写真および動画にはDJI Phantom 4ドローンを使用し、現場ではロボット・カメラ・システムとFARO 3Dレーザー・スキャナーを使用しました」と述べました。

3D Data to Preserve Thailand's Historic Temple — Wat Phra Si San Phet 3

データを活用して、興味や好奇心、理解を深める

Seagateは、LaCie® Rugged® USB-CRugged RAID2bigおよび12bigに加え、SeagateのInnov8®、NAS専用ドライブIronWolf™、およびその他の大容量製品などのストレージ・ソリューションにより、現場作業とオフィス業務においてCyArkをサポートしています。これらのデバイスは、現地作業で得た大量の3Dデータを安全にバックアップおよび集中管理し、遺跡の保護に必要となる詳細な地図や設計図を作成するために使われます。

保存データは、アユタヤの古代寺院や建造物の歴史的な設計や建築様式を保護するために活用されるだけでなく、学生、観光客および研究者向けのインタラクティブVR体験を制作する際にも使用されます。

Fassero氏はまた、「このような情報を取得および共有することで、人類の過去に対する興味や好奇心、そして理解を深めたいと考えています。VRは、より多くの人たちがこれらの遺跡について学び、興味をもってもらう方法として非常に優れた技術です」と述べました。

タイの文化遺産保護を促進する新技術

現地では毎日、LaCie Ruggedを使ってすべてのデータをバックアップし、夜にはデータのコピーも作成していたので、調査員はすべてのデータのコピーを2部持っていました。カリフォルニアの本社に戻ってから、CyArkチームは「大容量で高速なストレージ」が必要になりました。アユタヤで収集したレーザー・スキャン、写真および動画から洗練された2Dおよび3Dモデルを作成するため、作業の合理化をサポートするLaCie 2bigや12 bigのような製品が不可欠でした。

これらの製品を使った後処理作業では、アユタヤで収集した2.7TBのオリジナル・データが約20TBもの容量に増加する可能性があります。

タイ文化省次長のPrateep Phengtako氏は次のように述べました。「アユタヤで実証されたSeagateとCyArkによる新しい技術は、タイ文化遺産の保護を促進するだけでなく、国内外の観光客に人気のスポットとしてアユタヤの魅力も高めてくれるでしょう。文化遺産の保護と、後世が全く新しい方法でアユタヤを体験できる技術の提供について、SeagateとCyArkの大きな貢献に感謝します」

3D Data to Preserve Thailand's Historic Temple — Wat Phra Si San Phet 4

2018-08-22T00:23:55+00:00

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