データによって加速するコネクテッド・ワールド
スマート化され、責任ある方法でつながったコネクテッド・ワールドをデータがいかにして加速させているのかをご紹介します。
2002年のインターネット利用者数は世界全体で6億3,100万人でした。それが、2020年には45億4,000万人に達しています。「サイエンス」誌の依頼で実施された調査によると、1980年代後半に電子的な方法で保存されていた世界全体の情報量は1%未満でした。それから20年も経たない2007年には、その割合は94%まで上昇しました。まだインターネットが存在せず、CGIもGPSも電子メールもなかった時代がどんな世界だったのか、今では想像することすら難しいでしょう。しかし、過去を振り返ってみると、デジタル革命がいかにすばやく、決定的に世界を変えたのかが見えてくるはずです。
2007年以来、革命の勢いはとどまることを知りません。「エコノミスト」誌は2017年に、今やデータは石油を超えて世界で最も貴重な資源である、と断言しています。今日では、モノのインターネット (IoT) や人工知能 (AI) などの技術革新に続いて、社会のスマート化 (Smart Everything) に対する需要が世界中の技術界で高まっています。スマート・ビジネス、スマート・ファクトリー、スマート監視用途など、その例を挙げ始めたらきりがありません。
その中心にあるのは、もちろん「データ」です。
データは世界のつながり方を変えることで、世界の仕組みを変えつつあります。データが可能にするインターコネクティビティによって、人、企業、政府機関、さらにはモノでさえもすばやくシームレスに通信することができます。「未来の新しいルールでは、つながれるものはすべてつながる。」「フォーブス」誌の寄稿者であるジェイソン・モーガン (Jason Morgan) 氏はこのように書いています。この考え方に沸き立つのは、一般消費者よりむしろIT専門家のほうかもしれませんが、その影響を肌で感じるのは、消費者に他なりません。世界がつながってくると、かつては世界中の情報エコシステムで個々に存在した異種のシステムもひとつに統合されます。データによって世界規模でコラボレーションが進む世界では、そうした動きをAppleやAmazonなどの企業だけでなく、私たち一人ひとりも実感するのです。
データがあらゆる業種でこれほど大きな波を生み出してきた理由は、単純明快です。それは、データによって効率性が高まるからです。企業は、データをもとに消費者行動の動向から実用的な洞察を引き出しています。こうして、消費者一人ひとりのニーズに合った広告やメールを作り出すことができます。基幹インフラ、工業施設、製造メーカー、工場では、データを使ってリソースを整理し、ワークフローを最適化して、ダウンタイムを最小限に抑えるための予防的な保守対策を講じています。スマートシティではスマートセンサー網を配備して、警察や救急などに即座に通報し、緊急対応の改善と情報提供を図っています。つまり、データは様々な意味において、あらゆる基本的なプロセスに大きな変革をもたらしているのです。
こうしたシステムをスムーズに機能させるためには、先を見越したデータ管理が必要です。私たちが化石燃料からさらに持続可能で信頼できるエネルギー源に切り替えてきたように、従来のストレージ・アーキテクチャも現代的なストレージ構成に切り替えて、膨大な量のビデオやメタデータに対応していかなければなりません。経営陣は、IT 4.0のストレージ戦略を取り入れ、例えばエッジからクラウドまで、データフローのあらゆる段階で性能を最大限に高めていく必要があります。消費者もまた、細部にわたってストレージ・インフラストラクチャを変革し、システム内で実装しているハードウェアを見直さなければなりません。
例えば、現在ビデオ・セキュリティ・ソリューションを展開しているお客様は、Seagate Technologyが誇る業界屈指のSkyHawk™ およびSkyHawk AIドライブを使ってNVR装置とDVR装置を強化しています。監視およびエッジ用途のために設計されたSkyHawkドライブは、最高64台のHDカメラからの映像を記録し、常時稼働の作業負荷に対応します。また、内蔵のSkyHawk Health Managementソフトウェアを通じてドライブの健全性を監視し、問題が起こりそうなときは警告を出してデータロスを防ぎます。また、SeagateのSkyHawk AIドライブは数十件のAIイベントにも対応します。データ・センターやクラウドの用途で配備されているサーバーの場合、Exos®エンタープライズクラス・ドライブを使えば、ストレージ容量を拡大するだけでなく、スピードとデータの可用性を高めることも可能です。さらに、ExosおよびNytroドライブはいずれもSeagate Secure™ 機能を搭載し、万全のサイバー・セキュリティ対策を取っています。
データの世界はかつてないペースで拡大しています。IDCの予測によると、世界のデータ量は2025年までに175ゼタバイトに達するとされています。データは責任ある方法でつながったスマートな世界を生み出し、今後もすべての事業部門で重要な役割を果たしていくものと考えられます。