テープからクラウドに移行すべき10の理由
適切なパートナーと提携すれば、データの移行は意外に容易で、享受できるメリットも多くあります。
01 6月, 2023
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重要なデータをバックアップするという概念は、有史以来存続してきました。人は物事を記録することを好む一方、記録される物事はずっと存続するであろうと一般的に楽観視する傾向が見られます。岩絵から羊皮紙への書き込みと紙への印刷まで、その目的は常に、アイデアを頭の中からより永続性のあるものに移行させることにありました。というのも、後に誰かがこうしたものを必要とする可能性があるからです。
現代まで話を進めましょう。コンピュータ、電話、カメラ、ハードディスク・ドライブ、ソリッド・ステート・ドライブ、海底データ・センターと、記録方法は純然たる創意工夫によって大きな発展を遂げました。過去20~30年間だけでも、数多くの新しいメディア形式が導入されてきました。その一部は現存していますが、大半はそうではありません。そのうちの1つがテープであり、具体的に言えば、磁気テープです。もしくは、さらに具体的に言うと、LTO(リニア・テープ・オープン)です。
部屋が埋まってしまうほどコンピュータが大きかった20世紀の半ば以降、データをテープに記録するのは一般的なビジネス慣行となっています。時が経つにつれて、バックアップでのテープの使用は、ディザスタ・リカバリと長期的なストレージ戦略の中核になりました。現在でも、外部(場合によってはセカンド・パーティ)のアーカイブ施設を通じたテープのエアギャップな機能と比較的低いストレージ・コストは、顧客によって評価されています。
間違いなく、テープは長期にわたって成功を収めてきました。実際に、最低でも今後20~30年間は使用され続けるでしょう。しかし、未来へと進むにつれて、多くの会社においてテープ・ストレージ戦略は変化する可能性があります。ほとんどの単一テープや小型のテープ・オートローダおよびライブラリは、それらの代替となる選択肢のコストが低下するにつれて、他の技術に移行されることでしょう。テープの購入費用の手頃さとデータ/メディアの移行の容易さが維持される限り、一部のデータ・センターは、数万のメディア・スロットを備えた巨大なテープ・ライブラリにコールド・データをアーカイブすることを選択するでしょう。
記録可能メディアの多種多様な形式が進化してきたのと同じように、データ・バックアップ戦略も進化してきました。現在は、クラウドの時代です。少し意外かもしれませんが、今でもコンピュータに埋め尽くされた「部屋」は存在します。しかし、これらの部屋は大量のストレージと処理能力を備えたクラウド・データ・センターです。クラウド・ベースのストレージは、ディザスタ・リカバリと数十年にわたるデータのアーカイブの両方でそのメリットが実証されています。LTOベースのストレージ戦略のみを採用した組織には、貴重なデータをクラウドへ移行するか、少なくともクラウド・ベースのストレージをテープと併用することを検討すべき多くの理由があります。
仮に、貴社で頻繁なバックアップか長期のストレージのいずれかにLTOを使用してきたとしましょう。これまで、(ほとんど)問題なく機能してきたことでしょう。それでも、代替のソリューションを検討する理由がいくつかあります。
あらゆる技術と同様、テープも時を経て変化してきました。そして当然、これからも変化し続けます。第1~7世代のLTOドライブでは、2つ前までの世代のテープを読み取ることができます。LTO-8世代は1つ前の世代としか互換性がなく、2021年に始まったLTO-9世代にも同じことが言えます。現在、数世代のテープ・メディアが存在していますが、それぞれに異なるソフトウェアとデータ取得方法が使用されている可能性があります。
これにより、データが必要な時に、データへのアクセスに遅延が生じる恐れがあります。特に、制度的な知識のみに頼って抽出に必要なツールのバージョンを記憶している場合(そして、当該のツールが今も利用可能かどうか不明な場合)に、こうした問題が生じやすくなります。(保存されているデータは同じであっても)最新世代のLTOへのアップグレードは高コストで時間がかかることがあるため、テープによるバックアップを使用し続けている場合は、他のコスト面の課題にも直面します。さらに、古い世代のLTOテープから新しい世代へ移行する際には、非常に特殊な移行能力が必要不可欠になります。
テープによるバックアップはこれまで、情報を記録して保持するうえで妥当な方法でした。しかし、テープに保存されたデータは、クラウドに保存されたデータと比較すると、やや流動性に欠けます。今日のコンピューティング・ハードウェアでは、機械学習や人工知能 (AI)、データ分析など、ビジネスに直接メリットをもたらせる高度なタスクを実行できます。これらの機能は、マシンとユーザーが容易に大量のデータ・セットへアクセスできる場合に、最大限の効果を発揮します。残念ながら、データがテープに保持されている場合(つまり、識別され、物理的なその位置を見つけ、最終的に高度な分析システムでデータを読み込める場所へ移行する前に適切なツールで処理する必要がある場合)、データはその価値以上に問題を抱えがちになります。
始めは、テープベースのデータをクラウドへ移行するという考えを困難に感じるかもしれません。最終的に、何十本、場合によっては何千本ものテープの変換を社内で処理するには、IT人材を拘束することが必須になります。そのすべてのストレスと手間を軽減するために、移行のプロセスをセカンド・パーティに委託することができます。貴社のチームがより緊急性の高い事業運営に集中し続けられるように、データの移行を専門家に委託しましょう。
始めは、テープベースのデータをクラウドへ移行するという考えを困難に感じるかもしれません。最終的に、何十本、場合によっては何千本ものテープの変換を社内で処理するには、IT人材を拘束することが必須になります。そのすべてのストレスと手間を軽減するために、移行のプロセスをセカンド・パーティに委託することができます。貴社のチームがより緊急性の高い事業運営に集中し続けられるように、データの移行を専門家に委託しましょう。
始めは、テープベースのデータをクラウドへ移行するという考えを困難に感じるかもしれません。最終的に、何十本、場合によっては何千本ものテープの変換を社内で処理するには、IT人材を拘束することが必須になります。そのすべてのストレスと手間を軽減するために、移行のプロセスをセカンド・パーティに委託することができます。貴社のチームがより緊急性の高い事業運営に集中し続けられるように、データの移行を専門家に委託しましょう。
Lattice Semiconductor(本社:オレゴン州ヒルズボロ)は、世界最大規模を誇るフィールドプログラマブル・ゲート・アレイ (FPGA) の量産サプライヤです。同社は、安全な制御、柔軟な接続性、コンピューティングの低消費電力化と高速化を実現するデバイスの設計と製造を手懸けており、このデバイスは通信、コンピューティング、自動車、工業、消費者といった市場で広く活用されています。
自社のデータ・ストレージを更新することが決まった時、同社は、コストが高く、アクセスの難しい有名な施設に2500本を超えるテープを保管していました。同社は、Seagateが提供するLyve™ Cloud Managed Migration Servicesを選択したことで、多数のテープを迅速に処理して、Lyve Cloudで1PBのデータを閲覧可能な形式にデジタル化できるようになりました。
「私たちが何よりも必要としているのは、数サイクルごとに経済面での再編を行ったり、何らかの再構築や再検討を行ったりせずに、データを保存できるクラウド・ソリューションです」とLattice SemiconductorのCIOであるスダカール・チルクリ (Sudhakar Chilukuri) 氏は語り、次のようにも述べています。「実際にLyve Cloudを目の当たりにして、大量のデータを処理し、関係するどのようなアプリケーションも利用できると分かり、Lyve Cloudに移動させることでメリットを得られる可能性を秘めたさまざまな種類のデータについて容易に検討できるようになりました」
テープのみを活用している企業は、クラウドへの切り替えによって節約できる時間や費用に気付きすらしないかもしれません。しかし、考えてみてください。技術のアップグレードはなく、システムやソフトウェア、保管場所のコストもかかりません。より新しいメディア・タイプへの定期的なテープ移行を計画して実行するために、専門家を雇うこともありません。こうしたことに縛られなければ、時間と予算を他のこと(イノベーションなど)に活用できます。
テープベースのデータ・バックアップを使用する多くの顧客が気付いてきたように、保存されたデータの再利用が必要になる際に互換性を確保するため、貴社でテープの世代と関連したソフトウェアを継続的に更新する必要があるかもしれません。これに対し、特に、有用なものだけをカタログ化して取り込むことで、貴社のバックアップ/アーカイブ用のテープ・データを結合、統合、整理、モダナイズできるようにするベンダーと提携している場合には、データをテープからクラウドへ移行すると、このような懸念を軽減できます。
法的なコンプライアンス要件は業界間で異なります。たとえば、ヘルス・ケア企業やエンジニアリング企業では、数十年以上にわたるデータのアーカイブを要求されることが多くなっています。データをクラウドに集約すると、企業でこうした長期にわたる要求を容易に満たすことができます。さらに、利用しているクラウド・プロバイダで常時スムーズにデータへアクセスすることが可能であれば、コンプライアンスと規制に関する監査が行われる際に手間もかかりません。
2020年まで、Seagateは一般的なバックアップ方法であるテープを使用して、短期的なニーズと長期的なニーズの両方に対処していました。長期的なデータは大規模なテープへのバックアップのために社外へ送信されており、時にはサードパーティ・ベンダーも利用しつつ、必要に応じてオフィスへ物理的に輸送することが求められていました。しかし、いくつかの課題がありました。これには、ベンダーの施設で特定のテープの位置を見つけるのにかかる時間や、テープからのデータの復元、テープの故障と劣化の可能性への対処、テープの到着時におけるデータを抽出するための最新のソフトウェアの検索などがあります。自社のデータ保持(除去)のルールを適用して、より細かく管理するために、SeagateのITチームはさらに良質なソリューションを立案できることに気付きました。Lyve Cloudの誕生です。
SeagateのLyve Cloudテープ移行およびストレージ・サービスでは、あらゆるテープ形式からクラウドへのデータの移行を容易化します。クラウドでは、ユーザーのお好みのネットワークとソフトウェア・ツールを通じてデータのバックアップ、保存、取得を行うことが可能です。Lyve Cloudの機能を保証するために、Seagateは自社のテープ・レコードをLyve Cloudに移行し始めました。移行のプロセスは迅速かつシームレスであることが証明され、さらに、Seagateでは外部の保管サービスに費用をかける必要がなくなりました。それ以外にも、Lyve Cloudオブジェクト・ストレージは、常時アクセスが可能できわめて安全なデータ・レポジトリとして利用することができ、ガバナンスとコンプライアンスの基準を満たすための同社の能力を高めました。Seagateでは、テープの復元、パッケージ化、配送が行われてから、保存されたデータが抽出されるのを待つことなく、(ネットワークの遅延に左右されるものの)ほぼ瞬時にビジネスのデータにアクセスできるようになりました。
データをテープからクラウドへ移行することの特に大きなメリットの1つは、コールド・データを新たなビジネス・チャンスのためにすばやく有効化できることです。高度な分析、AI、機械学習のためのクラウド・ベースのアプリケーションを活用して洞察と傾向をすばやく可視化してから、それらの洞察を貴重な収益源に変えること。これを自由に行うことで、今日の一流企業は優位を保っています。
ビジネスを行ううえで、技術への投資は欠かせません。しかし、企業では、ITハードウェアおよびソフトウェアへの支出に関してスマートな判断が求められます。すでに述べたように、LTOテープは導入以降継続的に進化しており、今後も進化し続けます。テープでのデータの保存に投資している企業では、遅れを取らないために、自社のテープ技術(ハードウェアとソフトウェアの両方)を頻繁に更新する必要があります。しかし、クラウド・ベースのストレージが古くなることは決してありません。
これが、もう1つの検討すべきことです。クラウド・ストレージの専門家にデータの保管とアーカイブの処理を委託することで、そうしたタスクに必要なオンプレミスのハードウェアの購入、維持や置換が不要になります。さらに、ますます多くの企業にとっての目標となっている、CapEx(設備投資)からOpEx(事業費)への支出のシフトが実現します。
テープベースのデータ・ストレージは、データ・リカバリ向けのエアギャップのソリューションとして利用できるように作られています。そのため、組織がテープを(どの中央の処理拠点からも離れた場所にある)外部の施設に輸送したり、セカンド・パーティの外部テープ・ストレージ会社に預けたりするのは理にかなったことです。ほとんどの企業にテープの保管のみを行う専用のスペースを確保できるだけの余裕がないことから、保管を行う会社が急増し、そうした会社のサービスのコストも大幅に増加しました。
近年、パンデミック以外に、グローバルなサプライ・チェーンの計り知れない脆弱性と予測不能性を露呈した出来事は発生していませんでした。ストレージ業界と同業界に依存する組織が直接経験したのは、LTOテープの可用性と一般的なオンプレミス・ストレージ・ハードウェアは、不確実性のある時代において予測不可能になり得るということでした。このため、その他の多くのメリットを差し置いても、クラウドはデータの保存とバックアップにおいて非常に望ましい選択肢になります。テープを何か月も待たなければならないのと、必要なストレージに瞬時にアクセスできるのとでは、どちらを選ぶべきかは明白です。
仮に、2.5PBのデータを含む1000本のLTO-6テープをクラウドに移行する必要があるとします。ネットワーク帯域幅と人材が限られているため、この移行では結果的に、300TBの完全なバックアップを完了するのに約1年かかるでしょう。これは、必ずしも理想的ではありません。そうした理由から、Seagateはテープ移行およびストレージ・サービスを提供しています。Seagateが移動の必要な手間のかかる作業を始めから終わりまで引き受け、迅速にデータをクラウドへ移行し、同時に一意のデータのみが移行されるようにします。そうすることで、後になって保管場所に立ち入り、実際には不要なデータに手を加える必要もありません。どれだけの時間を節約できるのかお知りになりたい場合は、こちらの計算ツールでご確認ください。
自社の条件に従って古いデータの保存、管理、有効化を開始する準備ができた際には、Seagateが貴社をサポートします。Lyve Cloudテープ移行およびストレージでは、担当のチームが迅速かつ効率的にデータをLyve Cloudへ移行します。また、Lyve Cloudでは、無限の拡張性と高い安全性を備えたS3バケットにデータが保存されます。その後は、洞察に常時アクセスしたり、新しい収益源を開拓するための無限の可能性を得たりすることが可能になります。高コストなオンプレミス技術のアップグレードは不要で、煩わしいシステムとソフトウェアのコストが頻繁に発生することもありません。そして、料金はストレージの使用量のみに応じて発生します。