静電気放電(ESD)は、アースへの静電気の突発放電です。デスクトップPCまたはノートPCのディスク・ドライブやソリッド・ステート・ドライブのように繊細なコンポーネントは、電流路で放電が起こると、ダメージを受ける可能性があります。静電気によりダメージを受ける可能性がある装置を取り扱う際には、常に特別な予防策を講じてください。
ESDダメージは、手またはツール上の電荷がそれ自体よりも抵抗の低いドライブへのパスを見つける際に発生します。ドライブへ電流が流れる際に、ドライブの部品が消散可能な最大エネルギー量がその電荷のエネルギーを下回る場合に、ダメージが発生します。デスクトップPCまたはノートPCのディスク・ドライブ内では、微量の電圧の取り扱いのみを想定して作製されている、回路基板上の小さな金属箔に似たパスが分裂してしまうことがあります。ダメージが部分的にのみ発生した場合は、そのパスを通路とする信号が断続的になり、信号の劣化の原因となります。
ESD防止策
ドライブは、ESDを防止するよう設計された特別な袋に入れて発送するのが理想的です。インストールの準備が整うまでは、ドライブを袋に入れた状態のままにし、袋は手で開封するか、はさみを使用して上部をカットしてください。金属ツールやナイフを袋に差し入れ、破り開けることは絶対にしないでください。
ドライブをインストールしたら、袋はなくさないように保管しておいてください。ドライブを返品したり輸送したりする必要がある場合は、この袋を使ってESDからドライブを保護してください。この袋は、梱包部材としても役立ちます。ドライブの梱包方法に関する詳しい手順については、保証サービス・ページを参照してください。
- 取り扱いが必要になるまで、ドライブはESD袋に入れたままにしておいてください。
- コンピュータのシャーシの未塗装表面に接地したESDリスト・ストラップ(ほとんどのコンピュータまたは電化製品取扱店で入手可能)を常に着用してください。
- リスト・ストラップの準備がない場合は、ドライブの取り扱い前にコンピュータのシャーシの未塗装表面に触れてください。
- ドライブのコネクタ・ピンには、適切な配線端またはジャンパでのみ接触してください。絶対に素手、または絶縁されていない道具で触れないでください。
- ファンや掃除機などの高圧電力源からドライブを保護してください。
- ボックスへの電源が完全にオフになっている場合を除き、ホットスワップ対応していないドライブに電源またはデータ・ケーブルを絶対に差込まないでください。
シーゲイト、サムスン、およびマックストア・ブランドの外付ドライブおよびネットワーク・アタッチド・ストレージ・ドライブは、筐体によってESDから保護されています。そのためこの記事は、デスクトップPCやノートPCの内蔵ドライブ、およびソリッド・ステート・ドライブなどのベア・ドライブにのみ適用されます。