データに基づく優位性をアスリートへ提供

データ・サイエンスをどのように応用すれば、アスリートやスポーツ・チームが試合でよりよい結果を出せるようになるでしょうか?

John Young氏の仕事は、多くのデータ・アナリストの憧れと言えるでしょう。

彼はエリート・スポーツ・コーチングで16年間のキャリアを経た後、サッカーのセントラル・コースト・マリナーズFCのチーフ・アナリスト兼データ・サイエンティストに就任しました。2年間にわたりチーム全体の選手のパフォーマンスを評価および分析し、選手の目標設定とシーズンの計画策定に携わりました。現在、彼はディープ・ラーニングをスポーツに応用する研究で博士号取得を目指しながら、NFLチームを含む米国とオーストラリアのさまざまなスポーツ・チームにコンサルティングを行うスポーツ・データ・サイエンティストとして活動しています。

彼の主な役割は、各試合のギガバイト単位のデジタルデータを短時間で処理し、他のチームのデータを集め、そのデータから得られた分析結果をコーチング・スタッフに渡すことです。すべてはデータと、スポーツ・サイエンスのベスト・プラクティスにかかっています。

Young氏が扱うデータは、アスリートのケガを減らし、パフォーマンスを向上させ、キャリアを延ばす助けになるため、非常に重要です。

彼のオフィス環境は、一般的なデータ・サイエンティストのものとは多少異なりますが、仕事の内容には共通点が多くあります。読み込むデータ量は膨大です。心拍数、皮膚温、発汗量から各選手の歩き方まで、1試合で分析するデータ量は約1,800億バイトにのぼります。

Young氏の仕事にとって重要なのは、コーチ、アスリート、その他の観察者が誰も気づかないような情報をデータから取り出す能力です。彼はデータからどうやって情報を探り出すかを熟考し、次に重要になるであろうデータ・ポイントを特定します。推測や決めつけ、仮定は排除します。

彼の目標は、試合やパフォーマンス・ビデオ、選手の統計データの評価だけではわからない情報をデータから導き出し、コーチング・スタッフの手に渡すことです。このような情報からプレイヤー、トレーニング、チームおよび試合戦略についてさまざまなことがわかり、クラブが新戦力獲得の計画を立てられるようになります。

生体測定、空間、位置、速度および試合の統計データを収集し、管理するツール

プロスポーツとは、突き詰めればビジネスです。企業と同じように意思決定者がデータ・サイエンティストの意見を聞き、データから導き出された情報、評価、結論に基づいて自分たちが展開するビジネスの利益となるように行動しているのです」とSeagate地域副社長Robert Yangは話します。「データ・サイエンティストは非常に大量のデータを極めて迅速に処理し、行動に結び付くような実用的な情報を手に入れるという高い期待に応える必要があります」

生体測定、空間、位置、速度、試合統計などのデータを収集するツールと一緒に、Young氏は大容量データストレージを常に使用し、その進化を続ける技術を頼りにしています。

Yangは、データ・サイエンスの活用が大幅に増えることで、彼自身のチームやSeagateの全体が現場から日々新しい知識を取り入れ、学び、応用するようになるだろうと言います。「データ・ストレージおよびアクセスのための新しいソリューションの開発において、私たちは幅広いデータ・ユーザのことを考えています」と彼は話します。「データ・サイエンティストの仕事は多様な分野で必要とされています。膨大な量のデータの利用価値を高めるという課題に取り組むために求められるデータ・ストレージ、アクセス性、セキュリティ、容量および拡張性の要件に対応する技術ソリューションを提供していくことが重要です」

スポーツ・データ・サイエンティストにとって重要なスキル

スポーツ・データ・サイエンティストになるには、優秀な統計学者であるだけではだめだとYoung氏は言います。コミュニケーションのスキル、そしてデータからわかったことを解釈し、理解する方法を他の人々に説明できる能力もまた重要になります。興味深いことに、コーチとしての経験は必ずしも重要ではなく、逆に特定のスポーツの経験がないためにデータを見るときの視点が偏らずにすむというメリットがあります。

スポーツ・データ・サイエンスの世界はまだ黎明期にあります。米国には32のNFLチームがありますが、そのうちデータ分析スタッフを雇っているのはわずか2チーム、米国サッカーリーグでは4チームに過ぎません。しかしYoung氏を含め、データを活用してプロスポーツ界に「ディープ・ラーニング」の利点をもたらすデータ・サイエンティストの需要は高まっています。

データが現代のビジネスの成功において重要な理由を詳しく読むには、IDCData Age 2025.レポートをご覧ください。

2018-08-20T00:41:37+00:00

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